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小川未明『月夜とめがね』 つづき
間が随分あいてしまいましたが、
「月夜とめがね」の宣伝のつづきです。



デザイナーさんであり絵本作家でもある
中嶋香織さんに装丁をしていただきました。
この、見返しの深い藍色から本文扉への流れ、
この色の見返しにこの本文が包まれているというところが
すごく好きで
なんて素敵な本なのだろうなあとうっとりするのです。
そして古風な字体が並ぶ文字の列が美しくて、
ああ綺麗な文字の並びってそれだけで
「読みたい」という気持ちにしっくりと寄り添って
くれるものなのだなあと
見ているときゅうっとなります。

中嶋さんはたくさんの本の装丁を
手がけてらっしゃるのですが、
大好きな「 引き出しの中の家」という本
……この本は、本屋さんで光って見えて
思わずジャケ買いしてしまった本なのです……その
装丁をなさったのが中嶋さんなのでした。
(ちなみに、「 引き出しの中の家」は文庫も出ていて
文庫の装丁も可愛いのですが、私が買ったのはこちらです)


ところで
「月夜とめがね」を初めて読んだのはいつだったろう?と
考えていたのですが、思いだせません。
ただ、読んでその悲しげな文体に感化されて
直後に書いた作文にやたらと「〜だったのであります」を
多用したら、先生に「語尾がおかしいです」と
大きくバッテンの赤字を入れられたことがあり、
そのバッテンを書いたときの先生の顔もぼんやり思いだすことが
できるのですが、
おそらく小学校の高学年の頃だったのだと思います。

小川未明のお話は…とても多作な方なので
私が読んだことがあるのは、その中でもほんのちょっとで、そして
あんまり上手に表現できないのですが……
怖さや悲しさや厳しさや醜さを含んだなにかをいちどそのへんに
ほおっておいて、
しばらくしたらそれをギュッと固めてポンッと置いたようなお話だなあ
と思ったりします。
「月夜とめがね」は中でもおだやかなやさしいお話ですが、
おばあさんが老眼で目がよく見えないこと、
針仕事をしながら自分の若い時分のことや遠くに住んでいる孫娘のことを
想像している姿に、そのようすは明るく穏やかで幸せそうなのだけれども、
読むたびに、ほんのほんのすこし胸が苦しくなります。

このお話をこどもが読んで面白いのか?と聞かれたら…私にはよくわからないのですが、
でも私自身が本物の子どもだったころ、確かにこのお話になにか魅力を感じたのだなあ。
きっと今とはすこし違う読み方をしていたのだと思いますが。

何はともあれ、好きなものを、やりたい形で、こんなにもじっくり丁寧に
作らせていただく機会に恵まれたことはとてもとても幸せで、
こんなことは今後の私の仕事人生においてはもう無いかもしれないです。
関わってくださった方々に感謝の気持ちでいっぱいです。
すこしでも多くの人に見ていただけたらいいなあと、切に思います。


宣伝したいことや書きたいことがあれこれあるのです。
ぽつぽつと書いていきます。
| kumaneko2009 | 10:20 | comments(3) | trackbacks(0) | pookmark |
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Comment
見返しの深い藍色。本当にすてきですね。表紙から裏表紙まですべてが本当にうっとりの1冊です。
ゆっくりゆっくり、ページをそっとめくりたくなります。
朽木さんの本、以前教えて頂いた本ですね。私も手にとってみたいです。

”読むたびに、ほんのほんのすこし胸が苦しくなります。”

とういうの、すごくよくわかる気がします。
そしてまた、高橋さんの絵も。
優しく温かな絵なのに、いつもどこかほんのほんの少し寂しさを感じるところすごく好きなんです。
Posted by: おひさまゆうびん舎 |at: 2015/08/09 5:45 PM
おひさまゆうびん舎さま
イベントの準備でお忙しいのに、ありがとうございます!!!

>そしてまた、高橋さんの絵も。
優しく温かな絵なのに、いつもどこかほんのほんの少し寂しさを感じるところすごく好きなんです。

そんなふうに受け取っていただけるとしたらすごく嬉しいです。
いろいろ思うところはあるのですが(反省点とか問題点とか)とにかく出来上がってほっとした一冊になりました。


今は真夏ですが、クリスマスの時期の絵本の準備でしばらくあたふたしていました。
お話を、ちょっとこねくりまわしすぎてしまって、袋小路に。でも、初冬には出来上がる予定です。ぜひ見てくださいね!
Posted by: タカハシ |at: 2015/08/10 12:02 PM
!!!
クリスマスがとっても楽しみになりました!
冬から来年の春まで私はきっととっても幸せな気持ちでいられると思います!楽しみにしています!
Posted by: おひさまゆうびん舎 |at: 2015/08/10 10:09 PM








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