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活版を巡る冒険展その2
印刷の立ち会いにいったときのことを書きます。

私の作品を印刷していただいたのは、
滝澤印刷というところです。
おひとりでやっている活版の印刷所です。

今回私が描いた絵は、色面が広いため、平台の印刷機のほうが
向いているという判断で(平らな面に置いて刷ったほうが、色をべったりと
のせることができるため)、それをお願いできる滝澤印刷さんで
刷ることになりました。



1版(黒灰色)



2版(苔灰色)



3版(浅葱色)


上の絵は部分ですが、これらの三つの版を重ねて、3色刷りの絵を描き
ました。


そして


色をつけるとこんな感じ。
↑自分で事前に作っていた出来上がり予想図です。

一番最初に、
地色の、黒に近いグレーを刷り(1版)、
次に緑色がかった苔色っぽいグレー(2版)、
最後に青(3版)を刷りました。


活版のインクを二色重ねる(黒灰色の上に苔灰色をのせる)と
一体どんな感じになるのか頭の中でうまく想像することができず
心配だったのですが、
紙にかけるインクの圧力の加減や盛り具合を何度か変えつつ様子を見、
最終的に両方の色を極力インクの出方を抑えて刷っていただきました。
苔灰色の下から黒灰色が透けてのぞいて見えるように、
なおかつ、紙自体の美しさというか、紙のさらさらとした感じも
インクをのせても多少残るよう、調節していただいたのです。

絵のまんなかあたりにある星と、それをつなぐ線は、1版めの黒灰色です。
まわりのベタ面は、同じ黒灰色でも極力インクを抑えてもらっていますが、
星の場所だけは、目立つよう、くっきりはっきり刷りたいのだとお願いしたところ、
部分的に圧力をかけてくださいました。
星の場所だけ、版に紙を1枚噛ませて、他の場所よりしっかりと圧がかかる
ようにしてあるのです。




今回は、この三色刷りのものと、
あともう1枚、黒一色で刷ったもの。
その、ふたつの作品を作りました。
黒一色のものも、単純にべったりと平坦にインクを乗せるのではなく、
場所ごとに圧やインクの盛りを調節しながら刷っていただいています。


もし実際にコンテクストに足を運んで実物を見ていただけた際には、
そんなところにも注目していただくと、印刷の職人さんがどれだけ
繊細なお仕事をされているのかを実感していただけるのではないかなあと
思い書いてみました・・・が、説明が下手なので、これを読んでいただいても
よくわからないかもしれないですね・・・

印刷の現場を見たことがない方にももっと伝わるように
書きたかったのですが、ただでさえ説明が下手なのに、
今あまり時間がなくて、文章を整理して書くことができず、
こんな説明ですみません・・・

この、活版で印刷された絵は、
恥ずかしながら、サインと、あとナンバーをいれて
作品として販売することになりました。

もし気に入っていただけて、おうちに持って帰っていただけたら
幸いです・・・!
| kumaneko2009 | 01:49 | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
活版を巡る冒険
活版印刷をテーマにした展覧会に参加します。





『活版を巡る冒険』

<CONTEXT阿佐ヶ谷>
日程:2010年6月6日(日)〜2010年6月13日(日)
時間:12:00〜19:00

<CONTEXT札幌>
日程:2010年7月22日(木)〜2010年7月25日(日)
   2010年7月29日(木)〜2010年8月 1日(日)
時間:11:00〜18:00

出品作家
石神照美(陶芸家)
・大友克洋(漫画家、映画監督)
坂崎千春(イラストレーター、絵本作家)
・高橋和枝(イラストレーター)
・中島たい子(作家)
マツバラリエ(美術家) 


詳しくはコチラから
企画展『活版を巡る冒険』のページを御覧ください。

活版印刷を紹介し、またその可能性を探る展示です。
よかったらぜひぜひ見にいらしてください!


* * *


「印刷方法ありき」で絵を描くというのはなかなか無いことで、
自分に何ができるのか、直前まですっかり悩んでしまいました。
難しいなぞなぞを出してもらって、頭をひねったような気持ちです。
こたえは出たのかと聞かれたら自信がないのですが・・・でも
今はまだ発展途上でも、次はもっとよい作品が作れるんじゃないかなあ
という期待感をもてたんだけど・・・どうかな。


リンク先の紹介文にも出ているように、活版印刷は
インクを乗せてプレスするので、印刷のあとが紙にくっきりと残り、
なんともいえない味の出る印刷方法です。
なんでもこちらの素材にあわせて再現してくれるオフセット印刷と
比べて、くせがあり、不自由ではあるのですが、
実際に刷ってみて、
その不自由さが魅力なんだなあと思いました。


印刷の職人さんと、間に入っていただいたオールライト工房さんと、
それから活版機そのものと、一緒に共同作業をしているようで
とても面白い、貴重な体験でした。
力をあわせて、印刷物という絵を描いた感じです。

活版の印刷機は、出来ないことは厳然として出来ないけど、意外な
ところでかなり融通がきき、注文に私が思いこんでいたのとは違う
角度から応えてもくれて、たいへん頼もしく、懐が深いです。


印刷の立ち会いにも行ったので(三色刷ったので、三回立ち会いに
足を運びました)その様子も、書きたいです。後日。
いや、明日にでも。・・・明日は無理かな。

印刷の立ち会いなんて、最後に行ったのは、「くまくまちゃん」の
初版を印刷したとき以来だったので・・・10年ぶりくらい!でした。
立ちっぱなしで疲れました。顔から目が落ちるかと思いました!

で、これからDMの宛名書きをします。間に合うかな。
がんばろう。
| kumaneko2009 | 10:50 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
リアルシトロン


いつもたいへんお世話になっている、インターネット上の雑貨も買える絵本屋さん
シトロンブックスが、5/28〜6/3の一週間、阿佐ヶ谷コンテクストにリアルに
出現します。

リアルシトロン

本屋さんて、すごく相性があるなあと思うのですが、
いくら歩き回ってもなんにもぴんとくる本が見つけられないお店があれば、
なぜだか欲しい本ばかりに見えてしまうお店もあります。

シトロンさんは、たいへん親しげな雰囲気でスッとそこにあり、
買う気満々で、でも「まあ、別のお店で買ってもいいし」くらいの気持ちで
こそっとのぞきにいくと、思ってもいない角度から意外な近しい何かを
見つけることができるお店だなあと思うのです。



それで阿佐ヶ谷コンテクストでは、リアルシトロンが終わると、
次はわたしも参加する展示がはじまるのですが、それはまた改めて
お知らせします。

ああ。
『やろうと思っているのにできていないこと』の海で
溺れてますよ。
眠いなあ。


| kumaneko2009 | 00:45 | comments(5) | trackbacks(0) | pookmark |
枇杷と鳩




ボツにした絵ですが、
部分的にとても気に入っていたので、
せめてここに載せてみます。
木は枇杷の木で、鳥は鳩を描いていたつもりなのだけれど、
なんだか違う鳥みたい。
| kumaneko2009 | 12:09 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
空のクジラ




学研から出ているピコロという雑誌の
「童謡みっけ!」というページに絵を描きました。

詩を書いたのはとりごえまりさん!
とりごえさんの詩に、中川ひろたかさんが曲を
つけていて、
そのうたに、絵を描いたのです。

とりごえさんが書いた詩は
『空のクジラ』という題名。

大きくて素直でゆったりとしていて、
読んだ瞬間、「気持ちのよい空の絵を描こう!」と
思いました。
心地よい色で、
よいことも、よくないことも包み込んでくれるような
懐の深い空の絵を描くのだ!
と思い、それには「岩絵の具だ!岩絵の具を使おう!」と

仕事 というよりも 描きたい気持ち のほうが勝ってしまって、

ちょっと印刷に向かない・・・難しい、淡い色をたくさん使ってしまい、
編集の方や印刷屋さんにご苦労をおかけしただろうなあと
反省しているのですが

でもこれ、原画はすごくいいんですよ。
いや、たぶん、ですけれども。


| kumaneko2009 | 22:58 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |

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