Page: 1/1
美雨13歳のしあわせレシピ
2015.08.23 Sunday | category:仕事
雨の季節が舞台のお話なので、6月のうちにご紹介したかったのに、
気づいたらもう秋の足音が聞こえてきてます。
しめのゆきさんの「美雨13歳のしあわせレシピ」の
装画と挿絵を描かせていただきました。
ある日お母さんが家出をしてしまった。
お父さんと娘が、お母さんに帰ってきて
もらいたくて頑張るお話です。
お父さんの無口で不器用なようすが、
たいへん生々しく描写されています。
そんなお父さんにいらだつ娘のようすも、
なんというか、身に覚えがいろいろあって
……胸が痛みました。
中学生の女の子にとって
突然お母さんがいなくなってしまうのは
とてもきつい。
でも苦手だった父親と近づこうと
お互いで努力し前向きになっていくようすは
読んでいて温かい気持ちになります。
おいしそうなお料理と、ショパンの雨だれと、雨ににじんだ紫陽花、
女の子らしい洋服や小物などのお話がたくさん出てきます。
ああ、今の女の子ってこんなふうなのかなあと
なんだかみずみずしく感じました。
原稿を読みながらすぐに絵のイメージが浮かびました。
そしてデザイナーさんのおかげでとても素敵な装丁になりました。
背とタイトル文字のピンク色が可愛いくてとても好きです。
気づいたらもう秋の足音が聞こえてきてます。
しめのゆきさんの「美雨13歳のしあわせレシピ」の
装画と挿絵を描かせていただきました。
ある日お母さんが家出をしてしまった。
お父さんと娘が、お母さんに帰ってきて
もらいたくて頑張るお話です。
お父さんの無口で不器用なようすが、
たいへん生々しく描写されています。
そんなお父さんにいらだつ娘のようすも、
なんというか、身に覚えがいろいろあって
……胸が痛みました。
中学生の女の子にとって
突然お母さんがいなくなってしまうのは
とてもきつい。
でも苦手だった父親と近づこうと
お互いで努力し前向きになっていくようすは
読んでいて温かい気持ちになります。
おいしそうなお料理と、ショパンの雨だれと、雨ににじんだ紫陽花、
女の子らしい洋服や小物などのお話がたくさん出てきます。
ああ、今の女の子ってこんなふうなのかなあと
なんだかみずみずしく感じました。
原稿を読みながらすぐに絵のイメージが浮かびました。
そしてデザイナーさんのおかげでとても素敵な装丁になりました。
背とタイトル文字のピンク色が可愛いくてとても好きです。
小川未明『月夜とめがね』 つづき
2015.08.09 Sunday | category:仕事
間が随分あいてしまいましたが、
「月夜とめがね」の宣伝のつづきです。
デザイナーさんであり絵本作家でもある
中嶋香織さんに装丁をしていただきました。
この、見返しの深い藍色から本文扉への流れ、
この色の見返しにこの本文が包まれているというところが
すごく好きで
なんて素敵な本なのだろうなあとうっとりするのです。
そして古風な字体が並ぶ文字の列が美しくて、
ああ綺麗な文字の並びってそれだけで
「読みたい」という気持ちにしっくりと寄り添って
くれるものなのだなあと
見ているときゅうっとなります。
中嶋さんはたくさんの本の装丁を
手がけてらっしゃるのですが、
大好きな「 引き出しの中の家」という本
……この本は、本屋さんで光って見えて
思わずジャケ買いしてしまった本なのです……その
装丁をなさったのが中嶋さんなのでした。
(ちなみに、「 引き出しの中の家」は文庫も出ていて
文庫の装丁も可愛いのですが、私が買ったのはこちらです)
ところで
「月夜とめがね」を初めて読んだのはいつだったろう?と
考えていたのですが、思いだせません。
ただ、読んでその悲しげな文体に感化されて
直後に書いた作文にやたらと「〜だったのであります」を
多用したら、先生に「語尾がおかしいです」と
大きくバッテンの赤字を入れられたことがあり、
そのバッテンを書いたときの先生の顔もぼんやり思いだすことが
できるのですが、
おそらく小学校の高学年の頃だったのだと思います。
小川未明のお話は…とても多作な方なので
私が読んだことがあるのは、その中でもほんのちょっとで、そして
あんまり上手に表現できないのですが……
怖さや悲しさや厳しさや醜さを含んだなにかをいちどそのへんに
ほおっておいて、
しばらくしたらそれをギュッと固めてポンッと置いたようなお話だなあ
と思ったりします。
「月夜とめがね」は中でもおだやかなやさしいお話ですが、
おばあさんが老眼で目がよく見えないこと、
針仕事をしながら自分の若い時分のことや遠くに住んでいる孫娘のことを
想像している姿に、そのようすは明るく穏やかで幸せそうなのだけれども、
読むたびに、ほんのほんのすこし胸が苦しくなります。
このお話をこどもが読んで面白いのか?と聞かれたら…私にはよくわからないのですが、
でも私自身が本物の子どもだったころ、確かにこのお話になにか魅力を感じたのだなあ。
きっと今とはすこし違う読み方をしていたのだと思いますが。
何はともあれ、好きなものを、やりたい形で、こんなにもじっくり丁寧に
作らせていただく機会に恵まれたことはとてもとても幸せで、
こんなことは今後の私の仕事人生においてはもう無いかもしれないです。
関わってくださった方々に感謝の気持ちでいっぱいです。
すこしでも多くの人に見ていただけたらいいなあと、切に思います。
宣伝したいことや書きたいことがあれこれあるのです。
ぽつぽつと書いていきます。
「月夜とめがね」の宣伝のつづきです。
デザイナーさんであり絵本作家でもある
中嶋香織さんに装丁をしていただきました。
この、見返しの深い藍色から本文扉への流れ、
この色の見返しにこの本文が包まれているというところが
すごく好きで
なんて素敵な本なのだろうなあとうっとりするのです。
そして古風な字体が並ぶ文字の列が美しくて、
ああ綺麗な文字の並びってそれだけで
「読みたい」という気持ちにしっくりと寄り添って
くれるものなのだなあと
見ているときゅうっとなります。
中嶋さんはたくさんの本の装丁を
手がけてらっしゃるのですが、
大好きな「 引き出しの中の家」という本
……この本は、本屋さんで光って見えて
思わずジャケ買いしてしまった本なのです……その
装丁をなさったのが中嶋さんなのでした。
(ちなみに、「 引き出しの中の家」は文庫も出ていて
文庫の装丁も可愛いのですが、私が買ったのはこちらです)
ところで
「月夜とめがね」を初めて読んだのはいつだったろう?と
考えていたのですが、思いだせません。
ただ、読んでその悲しげな文体に感化されて
直後に書いた作文にやたらと「〜だったのであります」を
多用したら、先生に「語尾がおかしいです」と
大きくバッテンの赤字を入れられたことがあり、
そのバッテンを書いたときの先生の顔もぼんやり思いだすことが
できるのですが、
おそらく小学校の高学年の頃だったのだと思います。
小川未明のお話は…とても多作な方なので
私が読んだことがあるのは、その中でもほんのちょっとで、そして
あんまり上手に表現できないのですが……
怖さや悲しさや厳しさや醜さを含んだなにかをいちどそのへんに
ほおっておいて、
しばらくしたらそれをギュッと固めてポンッと置いたようなお話だなあ
と思ったりします。
「月夜とめがね」は中でもおだやかなやさしいお話ですが、
おばあさんが老眼で目がよく見えないこと、
針仕事をしながら自分の若い時分のことや遠くに住んでいる孫娘のことを
想像している姿に、そのようすは明るく穏やかで幸せそうなのだけれども、
読むたびに、ほんのほんのすこし胸が苦しくなります。
このお話をこどもが読んで面白いのか?と聞かれたら…私にはよくわからないのですが、
でも私自身が本物の子どもだったころ、確かにこのお話になにか魅力を感じたのだなあ。
きっと今とはすこし違う読み方をしていたのだと思いますが。
何はともあれ、好きなものを、やりたい形で、こんなにもじっくり丁寧に
作らせていただく機会に恵まれたことはとてもとても幸せで、
こんなことは今後の私の仕事人生においてはもう無いかもしれないです。
関わってくださった方々に感謝の気持ちでいっぱいです。
すこしでも多くの人に見ていただけたらいいなあと、切に思います。
宣伝したいことや書きたいことがあれこれあるのです。
ぽつぽつと書いていきます。
⇒ タカハシ (02/21)
⇒ 伊藤惠子 (02/16)
⇒ タカハシ (02/01)
⇒ 伊藤惠子 (01/25)
⇒ タカハシ (12/12)
⇒ 伊藤惠子 (12/11)
⇒ タカハシ (11/18)
⇒ こうや (11/16)
⇒ こうや (11/16)
⇒ タカハシ (11/13)